
RICE処置はもう古い?スポーツのケガで知っておきたい「PEACE & LOVE」とは 「足首を捻挫したら、とりあえず冷やす」 「スポーツでケガをしたらRICE処置」 このように覚えている方も多いのではないでしょうか。 これまでスポ…
RICE処置はもう古い?スポーツのケガで知っておきたい「PEACE & LOVE」とは
「足首を捻挫したら、とりあえず冷やす」
「スポーツでケガをしたらRICE処置」
このように覚えている方も多いのではないでしょうか。
これまでスポーツ現場では、捻挫や肉離れなどの急なケガに対してRICE処置が広く知られてきました。
しかし近年では、ケガをした直後だけでなく、その後どのように身体を動かし、スポーツや日常生活へ戻していくのかまで考えた**「PEACE & LOVE(ピース・アンド・ラブ)」**という考え方が提唱されています。
今回は、玉村町PONOVA接骨院が、RICE処置との違いやPEACE & LOVEについて分かりやすく解説します。
そもそも「RICE処置」とは?
RICEとは、
R:Rest(安静)
I:Ice(冷却)
C:Compression(圧迫)
E:Elevation(挙上)
の頭文字を取ったものです。
足首の捻挫や打撲などが起こった際の応急処置として広く知られてきました。
一方で、現在は**「ケガをしたら長く安静にして、とにかく冷やしておけばいい」わけではない**という考え方が重視されています。
そこで知っておきたいのが「PEACE & LOVE」です。
ケガをした直後は「PEACE」
PEACE & LOVEは、2019年にBritish Journal of Sports Medicineで提案された軟部組織損傷への考え方です。受傷直後を「PEACE」、その後の回復過程を「LOVE」と分けて考えます。
まずケガをした直後はPEACEです。
P:Protect(保護)
ケガをした直後は、痛みを強くする動作を避けて患部を保護します。
ただし、「完全に動かさない状態を長く続ける」という意味ではありません。
ケガの程度を確認しながら、その後の適切な負荷につなげていくことが重要です。
E:Elevate(挙上)
腫れがある場合などには、患部を心臓より高い位置にすることが提案されています。
A:Avoid anti-inflammatory modalities
直訳すると「抗炎症的な方法を避ける」です。
炎症反応は身体が組織を修復していく過程の一部でもあるため、PEACE & LOVEの提唱者は、炎症を抑えることだけを目的としたNSAIDsやアイシングのルーチン使用に慎重な立場を取っています。
ただし、「アイシングは絶対にしてはいけない」という意味ではありません。
これについては後ほど詳しく説明します。
C:Compress(圧迫)
包帯やテーピングなどを使用して、適度に患部を圧迫します。
ただし、強く巻きすぎると循環を妨げる可能性があるため注意が必要です。
E:Educate(教育)
実はここが非常に重要です。
「いつまで休むのか」
「いつから動かしていいのか」
「どの程度まで運動していいのか」
といったことを理解したうえで、回復を進めていきます。
単に「痛みがなくなるまで休みましょう」ではなく、ケガの状態に合わせて回復までの道筋を考えることが大切です。
その後の回復は「LOVE」
ケガをして少し時間が経ったら、次はLOVEです。
L:Load(負荷)
状態に合わせて、少しずつ身体に負荷をかけていきます。
スポーツのケガでは、
「痛いからずっと休む」→「痛みがなくなったから突然100%で復帰する」
という流れは避けたいところです。
歩く、軽く走る、ジャンプする、切り返すなど、競技に必要な動きを段階的に戻していきます。
O:Optimism(前向きな見通し)
ケガをすると、
「また痛くなったらどうしよう」
「もう全力でプレーできないかもしれない」
と不安になることがあります。
こうした心理的な要素も回復に関係するため、必要以上にケガを怖がらず、適切な見通しを持って復帰を進めていくことが重要とされています。
V:Vascularisation(血流を促す運動)
状態に応じて、痛みを悪化させない範囲で有酸素運動などを取り入れていきます。
完全に休み続けるのではなく、身体を動かしながら回復を目指す考え方です。
E:Exercise(運動)
そして最後が運動です。
可動域、筋力、バランス、身体の使い方などを段階的に戻していきます。
特にスポーツ復帰では、「痛くない=競技復帰できる」とは限りません。
例えば足首の捻挫であれば、
「走れるか」
「片脚でジャンプできるか」
「方向転換できるか」
「競技練習を行っても症状が悪化しないか」
など、実際の競技に必要な能力まで確認していくことが重要です。
では、アイシングはもう必要ない?
ここは誤解されやすいところです。
SNSなどでは、
「RICEは古い」
「もうケガは冷やしてはいけない」
といった表現を見かけることがあります。
しかし、そこまで単純ではありません。
PEACE & LOVEの原著では、アイシングが炎症反応や組織修復に与える影響について慎重な立場が示されています。一方、足関節捻挫の臨床ガイドラインでは、アイシング単独によって機能や再発予防を改善する根拠は十分ではないものの、運動療法と組み合わせて症状を軽減する目的で用いることは選択肢とされています。
つまり、
「冷やせば早く治る」
とも、
「絶対に冷やしてはいけない」
とも言い切れません。
ケガの種類や状態、目的に合わせて判断することが大切です。
玉村町PONOVA接骨院が大切にしているのは「ケガを確認して、復帰まで考えること」
スポーツ中に足首をひねった時、
「とりあえず冷やしておけば大丈夫」
「歩けるから軽い捻挫だろう」
と判断してしまうことがあります。
しかし、歩けるからといって骨折が完全に否定できるわけではありません。
まず重要なのは、何をするかよりも、どのようなケガなのかを確認することです。
玉村町PONOVA接骨院では、
ケガをした状況、腫れや痛み、関節の動きなどを確認し、接骨院で対応できる状態なのかを判断します。
骨折などが疑われ、画像検査や医師による診察が必要と考えられる場合には、医療機関への受診をご案内します。
そのうえで、接骨院で対応できるケガについては、状態に合わせて固定・保護などを行い、段階的に身体を動かしながら復帰を目指します。
「早く復帰する」だけではなく「安心して復帰できる状態」へ
特に小学生・中学生・高校生のスポーツでは、
「試合に出たい」
「レギュラーを外れたくない」
「痛いけど動けるから大丈夫」
と無理をしてしまうことがあります。
しかし、復帰を急いだ結果、同じ場所を再び痛めてしまっては意味がありません。
ケガをした直後の対応から、運動を再開するタイミング、そして競技復帰まで。
これらを一つの流れとして考えることが、現在のスポーツ外傷への対応では重要になっています。
「RICEをしたから終わり」ではなく、その先の復帰まで考える。
これがPEACE & LOVEから学べる大切なポイントです。
玉村町・伊勢崎市・高崎市新町周辺で、足首の捻挫、打撲、肉離れなどスポーツ中のケガにお困りの方は、玉村町PONOVA接骨院へご相談ください。
玉村町PONOVA接骨院
整えて、新たなステージへ。
参考文献
Dubois B, Esculier JF. Soft-tissue injuries simply need PEACE and LOVE. British Journal of Sports Medicine. 2020;54:72-73.
Martin RL, et al. Lateral Ankle Ligament Sprains: Clinical Practice Guidelines. Journal of Orthopaedic & Sports Physical Therapy. 2021;51(4):CPG1-CPG80.
