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スポーツ外傷2026.11.06

野球肘の予防、フォームや柔軟性だけで十分?

野球肘の予防、フォームや柔軟性だけで十分?

「肘を痛めないように、投球フォームを直したい」 「肩を柔らかくすれば、けがを防げるのでは?」 野球をしているお子さんや保護者の方から、このような疑問を持たれることがあります。 投球動作や身体の動きに目を向けるとともに、肘そのものにどのような…

「肘を痛めないように、投球フォームを直したい」

「肩を柔らかくすれば、けがを防げるのでは?」

野球をしているお子さんや保護者の方から、このような疑問を持たれることがあります。

投球動作や身体の動きに目を向けるとともに、肘そのものにどのような変化があるかを確認することも大切です。今回は、高校野球選手を対象にした2025年の研究を紹介します。

高校野球選手128人を6か月間追跡

研究では、高校野球部の新入部員128人に、肘の超音波検査、身体機能の検査、投球動作の分析を行いました。その後6か月間の経過を調べたところ、23人、約18%に肘の障害が発生しました。

解析では、肘の内側にある骨の出っ張り「内側上顆」の表面の不整や肥大、肩を外側へひねる動き「外旋」の可動域の大きさが、その後の肘の障害と関連していました。研究の抄録

内側上顆は、肘の内側で触れられる骨の部分です。ここに見られる形の変化が、今後の肘の状態を考える手がかりになる可能性があります。

「肩が柔らかいほど安心」とは限らない

肩の外旋とは、投球でボールを持った腕を後ろへ引くときに使う、肩を外側へひねる動きです。

今回、肩の外旋可動域の大きさと肘の障害との関連が見られましたが、「肩が柔らかいこと自体が悪い」「肩を硬くすれば予防できる」という意味ではありません。

この研究は、身体の特徴と、その後の障害との関連を調べたものです。ストレッチを減らしたり、特定のフォームへ変えたりすることで、けがを防げるかどうかまでは検証していません。

フォームだけで原因を決めつけないこと

今回の研究から考えたいのは、肘の状態を一つの特徴だけで判断しないという視点です。

投球時に痛みや違和感があると、「フォームが悪いから」「身体が硬いから」と考えがちです。しかし、肘そのものの状態も含めて確認する必要があります。

また、骨の形に変化があるだけで、必ず障害が起こるわけではありません。検査の結果は、症状や競技の状況などと合わせて判断することが大切です。

相談するときに伝えてほしいこと

肘の状態を相談する際には、次のような情報を整理しておくと役立ちます。

  • いつから痛みや違和感があるか

  • 投げ始め、投球中、投げ終わった後の、いつ痛むか

  • 最近、練習量や登板機会が増えていないか

  • 過去に肘を痛めたことや、検査を受けたことがあるか

痛みを我慢して投げ続けず、症状が続く場合は整形外科で相談しましょう。画像検査の必要性や診断、投球を続けてよいかについては、医師による判断が必要です。

PONOVA接骨院へのご相談時にも、症状の経過や練習状況、医師からの指示がある場合は、その内容をお聞かせください。

フォームや柔軟性に加えて、肘の状態にも目を向けること。それが、これからの競技生活を考えるうえで大切な視点になります。

参考文献
Nishi R, et al. Anatomic, Functional, and Mechanical Risk Factors for Elbow Injury in the Throwing Athlete: A Prospective Cohort Study of 128 High School Baseball Players. American Journal of Sports Medicine. 2025年3月30日オンライン公開。
論文情報・抄録

※本記事は公開抄録をもとにした解説です。研究は高校野球選手を対象としており、小学生や中学生に同じ結果が当てはまるとは限りません。

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